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2つ目の落とし穴

Dr. Hiro:今お話し頂いた皮膚血管腫の医療レーザー治療における「つまずきやすい1つ目のポイント(落とし穴)」というのは、ある程度回数を重ねた後ですよね?

Dr. Chika:そうですね。

Dr. Hiro:それよりも前に、1回ぐらいでつまずかれるという人はいらっしゃらないですか?

Dr. Chika:「やはり治療はやめます」という方も中にはいらっしゃいます。最近はそういった方が少なくなってきているかなと思いますけど、それこそ後でお話しします料金の話とかにも絡んでくる問題です。


1回打っただけでは効果が出ないことが予想される方には、「試験照射をしても、薄くならないですよ」と説明をしています。


また、1回照射した部分がもとのピンク色もしくは赤色に戻る過程で、内出血なども起こしますし、レーザーの影響が表面的におよびますと軽いやけどの状態になります。


すると例えば水疱を作ったり、かさぶたを作ったりして、その後ちょっと茶色くなってきたりと、いろいろなことが起きてきます。


皮膚血管腫ができる部位は表に出る部分が多いですから、「仕事上支障を来すので、こういうようになるのでは広い範囲には今はできません(もしくは、あきらめます)」という方も実際多いです。


皮膚血管腫に対する医療レーザー治療の場合、侵襲(しんしゅう)が全くない、つまり終わった後すぐにお化粧して日常に戻れる治療ではないというところが、ネックの2つ目ですね。

Dr. Hiro:そうですね。今はIPL(Intense Pulsed Light:光治療器)など照射した後も見た目に変化がなくすぐお化粧、すぐ日常に戻れるという機械もあります(ただしIPLでは皮膚血管腫の治療はできません。主に美顔処置、脱毛処置など)。医療レーザー治療はそういった治療と根本的に違う訳ですね。

Dr. Chika:その点は大きく違いますね。その辺りのことに関しては、ご理解いただいて治療の回数を重ねていかないといけません。したがって、最初の1回目(もしくは試験照射)というのがどれだけ患者さんにとってご負担になったかというところがポイントです。


試験照射した1カ月後ぐらいに来ていただいて、「どうでしたか?」というお話を聞くようにしています。


そうすると「こんな感じになりましたけれど、●●というところがもうちょっと◆◆だといいなと思いました」というように正直に言ってくださる方と、かなり大変だったのに「大丈夫です!」といって我慢をされている方も中にはいらっしゃるので、その辺はうまくフォローして行く必要性を感じています。

Dr. Hiro:そういった意味では、試験照射の重要性というのはかなり高いですね。

Dr. Chika:そうですね。写真とか図譜をお見せして説明をしても、ご自分の身に降りかかるのと他人の写真を見ているのでは全く違うわけです。しかもそれを見たのは一瞬ですけど、その状態が何日も続くわけです。

Dr. Hiro:そうですね。鏡を見るたびにですからね。

Dr. Chika:そうです。化粧では隠せない状態が何日かあったりするだけでも精神的にまいってしまいますので、このような点が2つ目につまずきやすいポイントだと思います。

医療レーザー治療の落とし穴

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