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術前処置

Dr. Hiro:これまでは「初めて病院に行き皮膚血管腫の診断を受けて、試験照射をして本照射を何回か繰り返して目標となるゴールまで到達するという医療レーザー治療全体の流れ」をお話し頂きました。


今度は1回のレーザー照射がどのように行われるのかについて、もう少し詳しくお話いただけますか。

Dr. Chika:はい。実際に治療を行うとなったらどうなるのか、というところですね。最初、患者さんに驚かれるのは、医療レーザー機器がすごく大きいという点です。


設置してある部屋もレーザー専用の部屋なので、まず緊張度が高まります。ですから、「すいませんね。ものものしいお部屋で」とお断りしてから治療に入ったりもします。


皮膚血管腫の医療レーザー治療は、全然痛くない治療ではありません。まずこの点についてお話します。

Dr. Hiro:痛みがあるのですね。

Dr. Chika:はい。「青いあざ(太田母斑)」や「茶色いしみ(老人性色素斑)」等の医療レーザー治療も痛みがありますよね。


しかし、それらの機器に比べるとダイレーザー(色素レーザー)という皮膚血管腫に効く医療レーザー機器では、それ程ではありません。大人でしたら麻酔がなくても我慢できるレベルです。

Dr. Hiro:特に刺しこまれるようなズキンとした痛みはないのですか?

Dr. Chika:そこまでの痛みではないですね。麻酔をする場合も、注射での麻酔はしません。ほとんどの場合、表面的に痛みが軽くなればいいので、張るタイプの麻酔薬を使用しています。


狭い範囲の方ですと、「何時間前までに張っておいてください」といった具合に、テープの麻酔薬をお渡しして、ご自宅から張ってきていただいています。

Dr. Hiro:それは患者さんご自身で麻酔薬を張ってくるのですか?

Dr. Chika:予約の時間を決めていますので、「○○時から照射」ということになれば、それの1〜2時間前に張ってきていただきます。


テープの麻酔薬ではカバーしきれない広い範囲の場合は、専用の麻酔クリームを用意しています。


その麻酔のクリームを照射予定部位全体に厚めに塗り、薬が垂れないように四隅をテープで止めてきていただくような形で行っています。乾くと効果が薄れるクリームなので、上からサランラップなどで密封する訳です。


そういう麻酔をしてきても、子供さんは正直ですよね。ですから、ちょっとでも感じれば痛いと言うのです。


「青いあざ(太田母斑:おおたおぼはん)」や「茶色いあざ(扁平母斑:へんぺいぼはん)」等の医療レーザー治療を受けるお子さんは、そのクリームを塗ってきても痛いようです。


「痛い!、痛い!」という感じでお尻が浮き上がります。しかし、皮膚血管腫に対するレーザー照射の場合は、子供さんでもぜんぜん痛くないという方が多いのです。ですから、子供さんでもこのテープかクリームの麻酔薬で十分に無痛状態にすることができると考えています。

Dr. Hiro:そうですか。それはいいですね。

Dr. Chika: 皮膚血管腫の医療レーザー治療は、クリームかテープの麻酔薬で十分に外来治療できます。面積がある程度ある方の場合でも、分割して小範囲ずつ行っていくのであれば、外来通院で治療可能です。

ちなみに、すごく狭い治療範囲の赤ちゃんであれば、お母さんが抱いた状態でレーザー照射を行います(お母さんには目を保護するためのゴーグルを着用)。

Dr. Hiro:本当に大丈夫なのですか?

Dr. Chika:大丈夫ですよ。逆に赤ちゃんだと、麻酔なしで治療してしまっても、多分大丈夫だと思います。痛みが表現できる年齢になってしまうと、後々「心の傷問題(トラウマ)」がありますので麻酔は必要となってきます。


もしくはもっと広範囲ですと、治療自体に恐怖感を抱いてきますので、全身麻酔をかけた状態でレーザー照射しています。


また、体がある程度大きくなってくれば押さえても動いてしまいます。そうなると危険を伴うので、どうしても全身麻酔を選ばざるを得ないという事情もあります。

しかし、狭い範囲であれば十分局所麻酔薬(テープかクリーム)のみで、外来通院でも治療可能だと思います。

Dr. Hiro:では、大人であれば通院で大丈夫ですか?

Dr. Chika:まず100%外来通院で、局所麻酔薬(テープかクリーム)でOKです。

Dr. Hiro:全身麻酔ということはないのですね。

Dr. Chika:まずないです。また大人の方の場合、例え広範囲の皮膚血管腫であったとしても分割して照射していることが多いです。


そのような場合、1回で照射できる目安というのは、患者さんご自身で決めて頂いています。「治療後のケアを考えると、このぐらいの範囲だったらいいかな?」、というのを参考に決めて、その範囲に局所麻酔薬(テープかクリーム)を張ってきていただいています。


分割して治療を進めていくと、全体の面積が狭いか広いかによって、治療回数が変わってきます。

Dr. Hiro:分かりました。また痛みのケアに関しては、ほとんど大丈夫ということもよく分かりました。

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