レーザー照射の方法
Dr. Hiro:皮膚血管腫の医療レーザー治療における「術前処置(じゅつぜんしょち)」についてはよく分かりました。次は、実際のレーザー照射について教えて頂けますか。
Dr. Chika:実は、レーザー光線はかなりまぶしいのです。ですから、ゴーグル状やサングラス状になっている遮光(しゃこう)用具を着用して頂きます。
しかし、「こめかみ」や「まぶた」部分の皮膚血管腫の場合、通常使用する遮光用具での光の防御ができません。
従って、目をつぶっていただいたり、本当にまぶたの上に照射する場合は、眼球をカバーするためのコンタクトレンズ状遮光用具を用意してあります。それらを着用していただければ目への障害はありません。
次はレーザー光線の照射間隔です。
「1秒に1回照射」よりも、もう少し当院の機械は間隔が空くと思います。しかし、長くても2秒に1回はレーザー光線が照射されます。
照射されるのは「丸い形」のレーザー光線で、5mm程度のスポットです。
Dr. Hiro:直径5mmの円形でレーザー光線が照射されるのですね。
Dr. Chika:はい。その丸を少しずつ重ねながらずらして照射し、全体を均一に照射していきます。大体100発ぐらい照射すると5~6分です。それで5平方センチメートル(5cm × 5cm)ぐらいの面積ですね。(図8)
Dr. Hiro:意外と早いですね。
Dr. Chika:早いです。
Dr. Hiro:照射しているときに、内出血もすぐわかるのですか。
Dr. Chika:そうですね。照射すると、例えば赤かったものがちょっと紫っぽくなるのです。だから色が変わってきますので、照射していったところは「ここまでだな」というのが分かるのです。
それを参考にずらしながらいくのですけど、苺状血管腫の場合はレーザー照射による影響で出血することもあります。ですから、この血管腫の場合は、それに備えて薬剤を準備して、止血をしながら照射していくこともあります。
Dr. Hiro:単純性血管腫の場合はいかがですか?
Dr. Chika:単純性血管腫の場合はあまり外に出血してはこないです。毛細血管拡張症で明らかに血管が、ここで太いのが見えるという場合でも、出血ということはまずないです。
Dr. Hiro:そうですか、分かりました。