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いちご状血管腫への効果

Dr. Hiro:いちご状血管腫(苺状、イチゴ状)への治療効果は、どういう具合でしょうか。

Dr. Chika:苺状血管腫はちょっと難しいところがありまして、「果たしてダイレーザー(色素レーザー)だけで効いているのか?」というところがあります。もともと自然治癒しうる病気ですので、医療レーザー治療が効いて改善してきたのかどうか、判断が難しい場合もあります。


あとすごい勢いで増殖して厚みのあるような苺状血管腫の場合は、当院では行っていませんけども、血管腫の内部にレーザー光線を効かせるという治療もあります。

 

Dr. Hiro:光ファイバーを使ってですか?

Dr. Chika:そうです。光ファイバーで血管腫の内部へレーザー光線を送り込んで、中から効かせるという方法です。


図4をご覧いただければ想像できるかと思いますが、上から下までびっしりと血管なので外からいくらレーザー光線を照射しても表面しか効かないことがあります。例えば3カ月に1回治療しているときにも増殖していると、治療が全然追いつかないという場合もあります。

Dr. Chika:かなり増殖しているものに関してはレーザー本体だけでは効果不十分になりますので、併用療法として放射線治療とかステロイドの注射をするなどいろいろな方法がとられます。


ですから苺状血管腫の医療レーザー治療を、「一般的に自然治癒しうるものを大きく増殖させないで早く治すための方法」と考えています。

Dr. Hiro:私のクリニックにも、苺状血管腫を持っている生まれたての赤ちゃんを連れていらっしゃる方がいます。「昔は様子を見るというのがメインだったけれど今は医療レーザー治療がありますから、ここの病院に行ってください」というように伝えています。


やはり苺状血管腫の場合、赤みが強いので両親は心配して早く連れてきてくれます。そのような時はまだ平らな状態のことが多いのです。


先ほどのお話のように、血管腫が盛り上がってからだと治療が難しいので、平らな時期に早く連れてきてほしいというのが、医師側にありますか?

Dr. Chika:医療レーザー治療は血管腫が平らだと効きがいいわけです。ですから、盛り上がる前の方が当然好ましいです。


また、盛り上がった方の場合は、治ったときにその盛り上がりによって余分に伸びてしまった皮膚がたるんで残るという可能性があります。


やはり平らな時期に医療レーザー治療を早めに受けることができれば、その後の増殖の心配もないので、ベストだと思います。


やはりその辺の認識はまだ常識として世間に通っていないところがありますので、皮膚科医もこの病気の啓発活動に力を入れる必要があると考えています。

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