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テスト照射の重要性

Dr. Hiro:次は皮膚血管腫に対する医療レーザー治療の全体像(治療計画や治療の流れ)をお聞かせ下さい。

Dr. Chika:病院に来られてすぐ治療を希望される方もいますけども、最初は皆さん「皮膚血管腫の医療レーザー治療って、どういうものなのでしょうか?」ということで医療機関を受診されると思います。そういう前提でお話しますね。


医療レーザー治療にまず自分の病気が適しているのかどうかが重要です。ですから、最初に病院に行かれたら適切な診断を受けていただいて、さらに医療レーザー治療が効くのか効かないのかということを、はっきり教えていただきます。


そのうえで「レーザー治療手段がありますけどもどうでしょうか?」というお話があって、初めて治療計画というお話になると思います。そして、「あなたの場合ですと何カ月に1回の照射で大体合計何回でこれくらいまで改善するでしょう」と先生がお話しなさると思います。


当院の場合は、まず診断名と「血管がどこまでが広がっているのか」についてお話します。ただし最初の説明は、あくまで見た目でおおよその深さを判断していますので、それが途中でお話が変わることもあり得るということを了承していただいています。


次に「まずここまでを1区切りということでやりましょう」という治療回数の目安をお話します。当院では3カ月に1回の間隔で照射しています。


最も回数の少ない方では、1〜2回で様子を見る方もいます。また、「徐々に薄くはなっていくでしょうけども、まず3回~4回ではすっきりはしないと思いますので、3回目ぐらいまで続けてやっていただいてまたお話ししましょう」という方もいます。


さらには「5回目までやってからその後のお話をしましょう」という方もいらっしゃいます。これは私が臨床的に目で診たときに判断しています。


そのようなお話をしてから、さらに詳しい治療計画をご説明し、ご納得をいただいたうえで治療に入ります。


実際の治療となった場合、面積にもよりますけども、すごく狭い範囲の方ですと試験照射なしでそれ自体が本照射ということもあります。


しかし、面積がある程度広い血管腫の方がほとんどなので、基本的には「試験照射(テスト照射)」をまずやって、実際の効果のほどを見てみます。


ただ試験照射1回ですと、効いたのか効いていないのかわからないということも実際はあります。本当に浅い部分の小さい血管のタイプには、試験照射を1回やってみていただだけでも十分患者様は、「このぐらい薄くなるのですね」ということで安心して本照射に移っていただけるのですけれども、やはり1回試験照射をやっただけでは、その辺がわかりかねるケースもあります。

Dr. Hiro:1回の試験照射では見た目がそんなに変わらないこともあるということですね。

Dr. Chika:そうです。ですから、最初から私が5回を1クールと言っている方には、試験照射に対してはどういう意味合いを持たせるかというと、「患者さんご自身に1回の照射にあたる前処置から実際の照射、その後のご自宅でのケアという治療後のことも含めて1回経験していただく機会」という位置づけでお話をしています。


「実際の照射はこういう感じですけど、これを全体にかけるとしたらこういう影響が出ます。それでも大丈夫ですか」という意味を含めて試験照射を進めています。


中には、「先生、1平方センチメートルぐらいしか駄目ですか?」といった具合にとっても焦っている方もいらっしゃいます。


ちなみに試験照射は1平方センチメートル(1センチ角)ぐらいの場所を選んで行うのですが、色の濃淡がもしあるようならば何カ所かを選んで複数箇所行っています。医療レーザー機器の設定も何種類かに変えて実際やることもあります。

Dr. Hiro:テストをしてみて、その照射出力でいいのかも判断される訳ですね。

Dr. Chika:そうです。医師側にとっては、その設定で治療するのに十分か不十分かという判断材料にもなりますし、患者さんには1回照射すると、その後はこういうふうに治っていくということを体験していただいてから広範囲の治療へ移っていける、というメリットがあります。

Dr. Hiro:それは患者さんにとっても非常にプラスになりますね。未知の治療に対して不安を感じていますので、それが少しでも解消される訳ですからね。

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