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毛細血管拡張症の原因

Dr. Hiro:このサイトのメインテーマである、血管腫のレーザー治療のことをさっそくお聞きしたいと思います。まず血管腫と一言でいいますが、その血管腫とはどういうものなのでしょうか? 


簡単な「病気の分類」と「どういうものが皮膚の中にあって病気をつくっているのか」について簡単にご説明いただけますか?

Dr. Chika:多分このサイトを見られている方は、少なくとも血管腫という病気をお持ちで聞かれていると思います。この件で医療機関を受診された方は、「血管腫とはどんな病気か?」ということは説明を受けているかもしれません。しかしここではもう一度、血管腫について説明させて頂きたいと思います。


病気の種類を挙げながら説明しましょう。まず図1をご覧ください。図1は毛細血管拡張症(もうさいけっかんかくちょうしょう)という病気を持っている皮膚の断面図です。


毛細血管はもともと正常の皮膚にもあるものですが、それが何らかの原因で血管の直径が広がってしまった状態を毛細血管拡張症といいます。簡単に言うと血管径が太く拡張してしまって、外から(皮膚の表面から)も血管が浮いて見えるような状態を指しているといっていると思ってください。


図1は、表皮のすぐ下にある真皮という部分のかなり表皮に近いほう、真皮の上の方にだけ毛細血管がやや広がった形で分布している絵になっています。

Dr. Hiro:病気の構造はよく分かりました。ただこの病名は、実際の診療現場において非常に広い意味を持つ病名になっているとおもうのですが・・・

Dr. Chika:そうですね。毛細血管拡張症というのはいろいろな症状が含まれる病名で、臨床症状が毛細血管拡張という状態の病気をすべて含むことになります。例えば酒さ様皮膚炎(しゅさようひふえん)の「酒さ」というのは・・・。

Dr. Hiro:赤ら顔ですよね。

Dr. Chika:そうですね。若い子の「赤ほっぺ」ではなくて、かなり年齢が上になってそれこそ50代、60代になってから寒さに当たるとほっぺたが真っ赤になってしまったり、鼻がすごく赤くなってしまったりというのが「酒さ」という病気です。


酒さ様皮膚炎というのは「酒さ」に似たような症状が何らかの原因で生じるものを指します。それは外用薬や化粧品の影響であったり、年齢の影響であったり、ホルモンのバランスとかいろいろな理由で起きてきます。


同じような毛細血管拡張という症状が出てきますが、この2つの病気は別物です。その他、毛細血管拡張症はいろいろありますけども、放射線を浴びた方で皮膚の表面に毛細血管拡張を来した方も、放射性皮膚炎による毛細血管拡張症といいます。

Dr. Hiro:あと特に年配の方はだんだん皮膚が薄くなって、顔・首・胸の血管が浮いてくる(表面から血管の走行が見える)とかありますね。ああいうのも毛細血管拡張症と考えていいのですか。

Dr. Chika:基礎疾患が何かあって毛細血管拡張症が起きてくる場合だけではありません。単なる加齢によってちょっとお顔のお鼻に近い部分で、「この血管が気になるの」というような患者さんも実際いらっしゃいます。

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